全般性不安障害
全般性不安障害は、漠然とした不安を抱えている状態が続く病気です。
誰しも一時的に不安や心配を感じることはあるでしょう。しかし、全般性不安障害とは、過剰でコントロールできない不安を感じる日が感じない日よりも多く、その期間が6ヶ月以上続く病気です。
全般性不安障害の症状
全般性不安障害では、漠然とした不安によって精神的にも身体的にも症状が現れます。
精神的に現れる症状
- 神経過敏
- 緊張
- 落ち着きが無い
- イライラ感、怒りっぽくなる
- 集中力欠如
- 頭が真っ白になる
- 過剰な不安・心配
- 離人感(自分の体から自分自身が離れていってしまうような感覚。自分自身を傍観しているような感覚)
- 非現実感
- 到底起こりえない、考えても解決できない、無用の心配が多い。(ビルが倒れてきたらどうしよう、隣に危険な人が引っ越してきたらどうしよう)
- いったん不安を感じると、オロオロして何も手につかなくなる。
- 人と会うことがが煩わしくなる。
身体的に現れる症状
- 頭痛
- 筋肉の緊張
- 肩こり
- めまい
- 震え
- 息苦しさ
- 頻尿
- 下痢
- 不眠
全般性不安障害を持つ人は、常に過剰な不安を抱えていて、上記のような症状が見られます。
不安の対象は漠然としていてます。その不安はいくら自分で悩んでも解決できるものではありません。そのうち、不安は膨らんでいき、心身にさまざまな症状が現れるのです。
全般性不安障害の不安と健康なレベルの不安の見分け方
人は誰でも不安になるものです。しかし、全般性不安障害の不安と健康なレベルの不安には明らかな違いがあります。次にその見分け方を示します。
全般性不安障害の不安 | 健康なレベルの不安 | |
---|---|---|
不安の対象 | 漠然としている | 明確なことが多い |
不安の理由 | はっきりしない | はっきりしている |
不安の表現 | 他人が理解できるように表現できない | 他人が理解できるように表現できる |
不安の持続 | 長く続く | そう長くは続かない |
不安の自制 | 自分でコントロールできない | ある程度コントロールできる |
全般性不安障害では、家族が交通事故にあったらどうしよう、空から何か落ちてきたらどうしよう等という、特に可能性の高くないどうしようもできない不安を感じます。そして、一度それに注意が向くと、心配でたまらなくなってしまうのです。
全般性不安障害に間違えられやすい病気
自律神経失調症、更年期障害
全般性不安障害の原因
原因は、ほかの不安障害と同じように、ひとつに特定できません。
例えば、原因には次のようなものが挙げられます。
- もともと神経質で不安を感じやすい
- 過度なストレス
- 完璧主義な性格
- 他人に認められたい性格
- 幼少時のショック体験
- 身体の機能障害
- 遺伝的要因