精神療法

精神療法

不安障害の精神療法には、支持的精神療法、精神分析的精神療法、森田療法、行動療法、認知療法などがあります。
行動療法と認知療法について、簡単に紹介します。

 

行動療法

パニック障害や社会不安障害の方の場合、不安や恐怖を感じる場所や状況を避けようとする傾向にあります。そこをあえて飛び込んで克服していこうというのが行動療法です。
患者さんの治療の進行具合をみながら、さまざまな形のハードルを設定していく方法(段階的暴露療法)が有効です。

 

認知療法

不安障害の人は、普通であれば何でもないような場面や状況で不安や恐怖を感じます。その不安や恐怖の原因が間違った認知(認知の歪み)によるものであるとして、その間違いを正しい認知に修正してあげて、不安を軽減し正しい行動に向かわせるのが認知療法です。

 

例えば、人前でスピーチするとします。
そのとき、「人が多いな」「言葉づかいに気をつけよう」と考えるのは正しい認知です。正しい認知があれば、落ち着いてスピーチできるでしょう。
一方、「くだらないと思われるだろう」「途中でつまってしまうだろう」と否定的に考えるのは間違った認知です。間違った認知をしていては、緊張してうまくしゃべれないでしょう。
認知療法では、この認知の歪みを正すために不安の原因を取り除き、より適切な認知を引き出します。