あがり症
あがり症もその程度によっては社会不安障害の症状といえます。
大勢の前で話したり、会社でプレゼンテーションをするときは、誰でも緊張するものです。顔が赤くなったり、汗をかくこともあるでしょう。
しかし、たいていの人は終われば落ち着きますし、回数を重ねることで慣れていくものです。注目される場面で一時的に緊張感に襲われるのは珍しいことではありません。
社会不安障害と単なるあがりの違い
ところが、社会不安障害の人は、人前に出ることが極端に苦手です。人前に出ると、震えや赤面が出たり、頭が真っ白になったりします。単なる「あがり」ではない、どうしようもないほどの不安と普通の人よりもはるかに強い緊張に襲われます。何回かやっても慣れることはありません。
社会不安障害の人は単なるあがりとは違って目に見えてわかる身体症状が出ることがあります。極端に顔が赤くほてったり汗をかいたりし、誰の目から見ても様子がおかしいことがわかります。脈が速くなって息苦しさを訴え、酷いものになるとめまいがしたりパニック発作を起こしたりもします。
そして、人前に出る機会を避けるために、そういう場面に参加することを避けるようになったり、さらには会社や学校に行くことさえ難しくなります。
さらに良くないのは、こういう症状を自分の弱い性格のせいだと、自分を責めてしまうことです。あがり症を単なる性格だと思って、病気だと思わない人がとても多いのです。
こういった症状は単なるあがりではなく「あがり症」といって社会不安障害の症状の一つといえます。社会不安障害は脳の神経伝達物質が不安定のために起こる病気とされています。単なる個性や性格ではなく、治せる病気だと思って捉えることが大切です。
単なるあがりだと思って受診しない人が多い
あがり症の人は、自分では社会不安障害とは分からず、単なる性格の問題と片付けて、受診しない人がとても多いです。
社会不安障害の患者への調査結果では、自分が社会不安障害と認識して受診したという人は全体の3%に過ぎないというデータもあります。
それほど社会不安障害とは分かりにくい病気であるということです。しかし、放っておくと学校や会社をやめてしまい、つらい人生を歩むことになりかねません。日常生活や社会生活に影響がでるようなら、専門医で受診しましょう。
あがり症-社会不安障害の症状関連ページ
- スピーチ恐怖症-社会不安障害の症状
- 社会不安障害の症状には、スピーチ恐怖症というものがあります。スピーチ恐怖症とは、人前で話をしようとすると、息苦しくなったり冷や汗をかいたり、体の震えが止まらなくなったりする症状のことです。
- 対人緊張-社会不安障害の症状
- 社会不安障害の症状には、対人緊張というものがあります。対人緊張は、人と接すると不安や緊張が強くなってしまうという症状です。
- 視線恐怖症-社会不安障害の症状
- 社会不安障害の症状には、視線恐怖症というものがあります。視線恐怖症とは、悪いことをしているわけではないのに、周りの人の視線が気になって、強い不安に襲われてしまう症状です。
- 赤面恐怖症-社会不安障害の症状
- 社会不安障害の症状には、赤面恐怖症というものがあります。赤面恐怖症の人は、強い緊張感から顔が真っ赤になってしまいます。それだけではなく、赤面自体を恥ずかしく感じ、人前に出ることを避けるようになってしまいます。
- 発汗恐怖症-社会不安障害の症状
- 社会不安障害の症状には、発汗恐怖症というものがあります。発汗恐怖症の人は、強い緊張感からひどく汗をかいてしまいます。それだけではなく、発汗自体を恥ずかしく感じ、人前に出ることを避けるようになってしまいます。
- 会食恐怖症-社会不安障害の症状
- 社会不安障害の症状には、会食恐怖症というものがあります。会食恐怖症とは、他の人がいる場面で食事をすると不安や緊張が高くなり、まともに食事ができなくなるというものです。
- 電話恐怖症-社会不安障害の症状
- 社会不安障害の症状、電話恐怖症を紹介します。電話恐怖症とは、電話のやりとりに強い恐怖を感じ、電話に出てもまともに会話ができないというものです。
- 書痙-社会不安障害の症状
- 社会不安障害の症状には、書痙というものがあります。書痙とは、字を書くところを見られていると緊張が高まり、手が震えてうまく書くことができなくなるという症状です。
- 振戦恐怖症-社会不安障害の症状
- 社会不安障害の症状には、振戦恐怖症というものがあります。振戦恐怖症とは、人に見られているなど不安や緊張する場面で手が震えるという症状です。
- 腹鳴恐怖症-社会不安障害の症状
- 社会不安障害の症状、腹鳴恐怖症を紹介します。腹鳴恐怖症とは、自分のお腹が鳴ってしまうことに、とても強い羞恥や恐怖を感じ、お腹が鳴ることが不安でたまらなくなる症状です。
- 排尿恐怖症-社会不安障害の症状
- 社会不安障害の症状、排尿恐怖症を紹介します。排尿恐怖症とは、公共のトイレで隣り合って用を足すことができないという症状です。