自律訓練法
自律訓練法は自己暗示の練習によって不安を軽減させ、自律神経系のバランスを整える方法です。
自律訓練法はドイツの精神科医シュルツが考案した方法で、不安障害の治療や予防、リラクセーション方としてよく取り入れられています。
「手が重い」「手が温かい」などの6つの公式と呼ばれる暗示をかけ、自分でリラックス状態を作りだします。
比較的簡単に習得可能なので、不安障害だけでなくその他精神疾患の治療や、メンタルトレーニングやメンタルヘルスに活用されています。
自律訓練法による効果
自律訓練法には次のような効果が期待できます。
- 精神が安定する。
- 血行が促進する。
- 緊張がほぐれる。
- イライラが解消する。
- ストレスに強くなる。
- 集中力がアップする。
- 疲労が回復する。
- 胃腸の働きが良くなる。
自律訓練法の方法
自律訓練法の方法を次に示します。
自律訓練法は次のいずれかの姿勢で行います。なるべく静かなところで、リラックスした状態で行いましょう。
- 背もたれのある椅子(安楽椅子)に座った姿勢
- 背もたれのない椅子(単純椅子)に座った姿勢
- 仰臥姿勢(仰向に寝た姿勢)
衣服やベルトをゆるめ、時計やアクセサリーなどつけているものは全てはずしましょう。
自立訓練の手順を記します。
- ゆっくりと腹式呼吸をしながら、気持ちが落ち着いていると暗示する。【安静練習(背景公式)】
- 両手両脚が重たいと暗示する。【第1公式(重感公式)】
- 両手両脚が温かいと暗示する。【第2公式(温感公式)】
- 心臓が規則正しく打っていると暗示する。【第3公式(心臓調整公式)】
- 楽に呼吸していると暗示する。【第4公式(呼吸調整公式)】
- おなかが温かいと暗示する。【第5公式(腹部温感公式)】
- 額が気持よく涼しいと暗示する。【第6公式(額部冷感公式)】
- 両手でこぶしを作って力を入れた後、ゆっくり開いたり、背伸びをしたり、息を吐いたり、腕を曲げ伸ばししたりして、【消去動作】を行う。
第2公式までが特に大切で、ここまでだけでも十分に効果が上がることがあります。
自律訓練法の注意点
自律訓練法の注意点には次のようなものがあります。
- はじめのうちは、うまくいかないこともある。簡単に諦めない。
- 空腹時や食後すぐは避ける。
- 消去動作を必ず行う。起き上がり時のふらつきや転倒のもと。
- わざと暗示にかかろうとしない。自然と暗示にかかるようになるのを待つ。