不安とは何か

不安とは何か

 不安障害を理解するために、そもそも不安とは何であるかを簡単に紹介します。

 

不安はなぜ感じるか?

 全く不安を感じない人はいません。不安にも役割があります。
 不安は安全が確保されていないことを知らせてくれます。
 ですから、自分が経験してないものや未知のものには不安を感じるのです。
 一寸先は闇のような状態では足がすくんで進めなくなります。これは結局自分を守ってくれているのです。
 不安を感じなかったら、何でも突き進んでしまい大変な痛手を受けることもあるのです。

 

解決できる不安と当たり前の不安

 不安には解決できる不安と解決が難しい当たり前に感じる不安があります。

 

 解決できる不安とは、「あの人は私のことを悪く思っているのでは?」「胃が痛いけどもしかしたら重い病気なのでは?」という類のものです。要するに、確認すれば取り除ける不安のことです。誤解されていると思うのならば、話し合って確認すればよいですし、病気が不安なら病院で診てもらえばよいのです。不安障害の人もそうでない人も、この手の不安は積極的に解決していきましょう。

 

 当たり前の不安とは、「明日のプレゼンうまくいくかなあ」といったものです。仕事の不安は準備することで軽減できますが、どんなに準備しても不安は0にはなりません。未来のことはわからないからです。この手の不安は、当たり前の不安なのです。
 不安障害の方はこの当たり前の不安を必要以上に恐れます。恐れると未知の部分が余計に気になり、ますます不安を募らせるようになります。こうした悪循環にはまり抜け出せなくなることも少なくありません。

 

当たり前の不安をコントロールする

 不安障害の方が当たり前の不安をコントロールするには、この手の不安を感じたときに「当たり前のことなんだ」と割り切ることです。気にしないようにするのはよくありません。気にしないようにと思うだけで、気にかかってしまうからです。生活していく上でさまざまな場面でこの当たり前の不安は生まれます。しかし、この不安は当たり前なんだと思うだけでコントロールができるようになることが実は多いのです。

 

 また、不安を感じることはストレスになります。ストレスになることを認めるのも1つのコントロール方法です。「失敗することもあるさ」「マイペースでやろう」などと自分に甘えることも必要です。

 

 さらに、不安は周りの人と共有するとで軽減します。こんなことに不安を感じていて、こんな協力をしてほしいと素直に伝えましょう。すると、あなたに共感してくれて、事態がスムーズに進みます。こうなれば不安を上手く活かしたといえるでしょう。
 =>不安をコントロールする-不安障害の治療