強迫性障害の実態
強迫性障害の症状
強迫性障害(Obsessive-Compulsive Disorder, OCD)は、ある考えが頭から離れなくなって、ある行動を繰り返さないと気が済まなくなる心の病気です。必要以上に汚れを気にしたり、何度も確認しないと気が済まなくなったりするなどの症状が現れます。
日本における強迫性障害の患者数は100万人ともいわれています。なかには自分の性格や癖なのではと思って、病気に気づかない人もいるそうです。気づかないうちに重症化していくケースも多いようです。
必要以上に汚れを気にする不潔恐怖の症状例
- 自動販売機に素手で触れることができない。
- 道にあるマンホールの蓋を避けて通る。
- 手洗いの際、決まった回数手をこすらないと気が済まない。
- ドアに触れられない。
- 1日数十回手を洗う。→手があかぎれになるほどに。
- 置いてある椅子に座れない。→殺菌スプレーを多用する。
- 自宅は汚くても構わない。→ゴミを触るのが嫌だからゴミを捨てられない。
- 自宅の自分のスペースさえ綺麗であればよい。
- テレビのスイッチを直接手で触れられない。
- 物を落とすことに恐怖を感じる。
- お金や外の物などを触ってしまった手で、自分の体や服を触ることができない。
- 配偶者が帰ってきたらまず風呂に入ってもらわないと気が済まない。
何度も確認しないと気が済まない確認強迫の症状例
- 自宅に帰るやいなやカバンの中身を入念にチェックする。
- 手帳に書き込み、それを消す行為を繰り返す。自分の頭の中にある確認したいことが大丈夫かどうかを確認する。
- 自宅を出たあとエアコンを消したかどうか異常に気になり、その考えを止められない。実際に確認するまでその考えが続く。
強迫性障害と潔癖症との違い
潔癖症→日常生活に影響は出ない。
強迫性障害→手を洗うのをやめられなくて学校や会社に行けなくなるなど、日常生活が困難になる。
強迫性障害になる原因・きっかけ
強迫性障害にはふとしたきっかけでなることがあります。例えば次のようなケースがあります。
- 土足禁止のところに土足で上がられるのを目にする。
- それが発展してまわりがどんどん汚く見えてくる。
- 症状が悪化し、自分の部屋以外は全て汚染されてるように見える。
- 日常生活が困難になり強迫性障害に。
強迫性障害の治療
薬物療法の他に、行動療法を行うクリニックがあります。行動療法とは患者に少しずつ負荷を与えて克服できるようにする治療法です。例えば次のようなものがあります。
- ベンチを手で触らせる。
- 道に寝そばさせる。
- 土に触れさせる。
- 財布の中のカードの場所を変えさせ、我慢することで不安や不安感を薄くさせる。
強迫性障害は誰にでもなりうるような病気です。日常生活に支障が出てくるようになったら、すぐに専門家に相談に行きましょう。病気や患者に対する理解が大切です。
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