パニック発作
パニック発作は、動悸や息切れ、発汗などの様々な症状をが起きます。
現実には身体的な危険が迫っているわけではないのに、普段感じることのない不安や恐怖を伴います。パニック障害では、何の前兆もなく突然パニック発作が現れます。
パニック発作の症状としては次のようなものがあげられます。
パニック発作の症状
息が苦しくなる
息がつまった感じがしたり、呼吸が早くなっりして息が苦しくなります。息切れ感を覚えたりもします。
呼吸が荒くなり呼吸困難に陥るので過呼吸に似ていますが、原因が違うので過呼吸のように吐いた息を吸わせても治りません。
ひどい場合は窒息するような感じがすることもあります。窒息感は強い恐怖を伴うので、これでパニックになる人もいます。しかし、パニック発作で窒息で亡くなった人は一人もいません。そういう感じがするだけです。落ち着いて対応しましょう。
心臓がどきどきする
動悸や心悸亢進(心臓の拍動が強く早くなること)が起こったり、心拍数が増加したりします。
少しドキドキする程度ではなく、例えるなら心臓が口から飛び出しそうなほど激しくなるのが特徴です。
発汗
暑くもないのに汗が出ます。恐怖感から冷や汗をどっぷりとかいたりします。発汗がそれほど長く続くことはほとんどありません。
胸が痛くなる
胸がぎゅっと痛くなったり、不快感を覚えたりします。狭心症や心筋梗塞を疑う人もいます。
手足のしびれ
手足がしびれることがあります。これはパニック発作ではよくみられるものです。麻痺は一時的なものでずっと続くことはありません。
手足や全身が震える
手足が震えて抑えがきかなくなります。だんだんガクガクと体全体が震え、けいれんを起こしているように感じる人もいます。
てんかんではないかと悩む人も多いようです。しかし、てんかんかどうかは検査を受けることではっきりしますので、早めに受診しましょう。てんかんの診断
めまいがする
フラフラするようなめまいを感じる人が多く、気が遠くなる感じや血の気が引いていく感じがするようです。
ひどくなると失神することもあり、予期不安の原因にもなります。
現実感がなくなる
まるで自分の存在がなくなっていくかのように感じます。雲の上を歩いているような感じがしたり、目の前にうっすら靄がかかったような感じがします。
離人感という自分が自分でないような感じになり、外側から自分を眺めているような気になることもあります。
気が狂ってしまうのではないかと思う
不安や恐怖が強いあまり、理性を失い、感情をコントロールできずに気が狂ってしまうのではないかと感じる人もいます。
しかし、実際のパニック発作時は自分をコントロールできなくなることはありません。自分がどんな状態であったか、どんなことを考えていたかをきちんと覚えています。
死んでしまうかもしれないと思う
呼吸困難や激しい動悸、全身の震えなど、症状が激しいため、自分が死んでしまうのではないかと強い恐怖を感じることがあります。
しかし、パニック発作は身体的な異常で起こるわけではないので、死ぬことはありません。
熱感や冷感がする
普段感じたことのない熱さや寒さを感じます。
突然カーっと熱くなりのぼせたりほてったりします。
血の気が引くような冷えを感じたり、手足の冷えを感じます。
このようなパニック発作が1回起こったからといって、パニック障害だということはありません。
何回か繰り返しておき、苦痛でたまらなく、日常生活に支障をきたすようだと、パニック障害となります。
パニック発作には診断基準が存在します。コンパクトにまとまっているので、そちらも参考にしてください。=>パニック発作の診断基準
突然現れるものがパニック障害でのパニック発作
パニック発作にはいくつか種類があります。
そのうち、状況依存性パニック発作と状況準備性パニック発作は、パニック障害にはあたりません。
パニック障害では、予期しないパニック発作が繰り返し起こります。
状況依存性パニック発作
ある特定の状況にさらされた直後やそれを予期した時に発作がおこるタイプです。人前で話すのに不安を感じている人が、実際その場面で発作を起こしたり、明日そうしなければならないと思った時に発作を起こしたりします。これはパニック障害でのパニック発作にはあたりません。
状況準備性パニック発作
何か特定の場面で発作が起こるのですが、必ずしもその直後に起こるわけではないタイプです。例えば電車の中で発作が起こりやすい人でも、いつも起こるわけではないというものです。「今日の行きの電車で発作が起こらなくてよかった!」と心の準備をしていたのに後で起こらなかったことに対して安心できるタイプのものです。これはパニック障害でのパニック発作にはあたりません。
予期しないパニック発作
何のきっかけもなく突然発作が起こるものです。パニック障害では、このタイプの発作が繰り返し起こります。風呂でリラックスしているときでもパニック発作は起こることがあります。寝ている時にも突然目が覚めて発作が起こることもあります。こういう発作を繰り返す場合はパニック障害の可能性が高いです。
パニック障害の診断では、その発作が状況依存性や状況準備性でないかしっかり見極める必要があります。
普通のパニックとパニック障害でのパニック発作との違い
日常生活の中で普通にパニックになることはあると思います。
例えば、突然目の前に嫌いな虫が出てきたりすれば、びっくりして動悸がしたり冷や汗が出たりすると思います。
しかしこれはパニック障害でのパニック発作ではありません。単なる一時的な普通のパニックです。
パニック障害でのパニック発作は、身の危険を感じる場面でなくても起こります。家で1人で居ても、電車に乗っていても、とくに危険がせまっているわけでもないのに突然発作が起こります。
特定の恐怖症による発作との違い
高いところや閉鎖された場所といった決まった場所や状況で発作が起こる場合は、高所恐怖症や閉所恐怖症などの特定の恐怖症である可能性が高いです。ひどくなるとその場所や状況を想像するだけで発作を起こすことがあります。こういった発作はパニック障害による発作ではないと考えます。パニック障害によるパニック発作はいつどこで起こるか予測できないものです。
パニック発作-パニック障害の症状関連ページ
- パニック発作の診断基準
- パニック障害の症状であるパニック発作の診断基準を紹介します。
- 予期不安
- パニック障害の症状である予期不安を紹介します。
- 広場恐怖
- パニック障害の症状である広場恐怖を紹介します。