社会不安障害の治療で使用する薬
社会不安障害の治療で使用する薬を紹介します。
SSRI
SSRI(選択的セロトニン再取り込み阻害薬)は社会不安障害の治療で中心的に使われる薬です。
セロトニンの量が低下すると不安の原因となります。SSRIはセロトニンの量の低下を防ぎ、脳内物質のバランスを整える作用があります。
SSRIによる治療は、ある程度の時間がかかります。長い目で続けていく必要があります。症状がよくなれば薬の量を減らしていきます。しかし、勝手に判断してはいけません。必ず医師の指示のもと減らしていきましょう。
SSRIの種類
- フルボキサミン(商品名:ルボックス、デプロメール)
- パロキセチン(商品名:パキシル)
- セルトラリン(商品名:ジェイゾロフト)
- エスシタロプラム(商品名:レクサプロ)
SSRIの副作用
改善率が高く、副作用が比較的少ない薬です。しかし、服用し始めた時期は、全体の1割〜2割の人に胃のむかつきや便秘、口の渇き、眠気といった症状が現れることがあります。
SSRIの服用の注意点
SSRIは効果が現れるまで少し期間を要します。すぐに効果が現れないからといって、勝手に服用をやめたりしないようにしましょう。症状がよくなっていけば、医師の指示のもと、薬の量を減らしていきます。しかし、勝手にやめてしまうと、めまいや吐き気などの症状が現れることがあります。薬の量は医師と相談して、徐々に増やしていったり減らしていったりしていくものなので、注意しましょう。
ベンゾジアゼピン系抗不安薬
ベンゾジアゼピン系抗不安薬は、不安や緊張が高まる場面で頓服的に使用する薬です。何か苦手な場面を迎える前に自前に飲んでおくことで、不安や緊張を抑えることができます。ここぞという時に使うのが上手な使い方です。
ベンゾジアゼピン系抗不安薬は、神経をリラックスさせるGABA受容体の働きを高める作用があります。
ベンゾジアゼピン系抗不安薬の種類
- エチゾラム(商品名:デパス)
- アルプラゾラム(商品名:ソラナックス、コンスタン)
- ブロマゼパム(商品名:レキソタン)
- ロフラゼプ酸エチル(商品名:メイラックス)
- ロラゼパム(商品名:ワイパックス)
ベンゾジアゼピン系抗不安薬の副作用
長期にわたって多量に使用すると、集中力の低下や眠気、めまいやふらつきなどの副作用があります。運転や危険を伴う機械の操作をするときは気をつける必要があります。
βブロッカー
βブロッカーは社会不安障害で現れる赤面や動悸、震えといった症状を抑える薬です。
社会不安障害の人は緊張を意識することでさらに症状が悪化してしまいます。βブロッカーを使うと、この悪循環を断ち切ることができます。
βブロッカーは交感神経の働きを遮断し、心拍数や血圧を下げる作用があります。
βブロッカーの種類
- カルテオロール(商品名:ミケラン)
- アテノロール(商品名:テノーミン)
- プロプラノロール(商品名:インデラル)
βブロッカーの副作用
倦怠感や低血圧といった副作用が現れることがあります。
アルコールは薬の作用を強めてしまうので、一緒に飲まないようにしましょう。
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